主にアコースティックやジャズ等の少人数及びソロのギターコード奏法を解説するサイトです。

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メディア紹介

メディア紹介について

ここでは、僕が感動した音源や映像を取り上げる予定ですが、ただ単に「ナイスアルバム」を紹介するなんて、もーそこらへんのサイトがしまくってますし、そもそも僕の感性で感じた事を 僕の言葉で書いても、読む方にとっては「ほー、だからあ?」ってなるかもしれませんので、できるだけ「マニアックなもの」あるいは「ギターやる上で外せない基本中の基本」って両極端な音源のみを紹介しようと 思っております。。

こだわるならデュオアルバム

とことん特定の楽器の演奏を楽しむならデュオはオススメです。

  『ALONE TOGETHER』 JIM HALL & RON CARTER

 巨匠と巨匠の見事なまでのインタープレイ。ジャズの名盤にはそういうデュオ(二人演奏)のアルバムが結構ある。僕がその中でも初めて聴き、今尚自身を持ってオススメできるのがこのジムホールとロンカーターの「アローントゥギャザー」です。ギターというのはメロディもコードもリズムも出せてピアノと同じく最もデュオのやりやすい楽器であると思うけど、今回のお相手はベース。ギターとは親戚のような弦楽器でありとうぜん相性抜群なわけで..だからこのアルバムも聴きやすいわけです。
 ちなみにこのアルバム、ライブ録音なので拍手やかけ声など入ってるのは当然なのですが、時折聞こえるグラスの音がなんともリアルで良いです。ただこんな素晴らしい演奏にも関わらず無関係な会話をしてる奴らがいてそれをマイクスターンがなんかのインタビューで非常に怒っていたのを思い出します。

  『In a Mellow Tone』Howard Alden & Bucky Pizzarelli

 現代の代表的スイングジャズギター弾きハワード・アルデンと元祖スイングジャズギター弾きバッキー・ピザレリのデュオアルバムです。もう、これだけでもジャズギター好き、スイング好きは必聴でしょうけど、アルバムのクオリティも非常に高いです。全体を通して小粋でスインギーな演奏が楽しめます。ハワード・アルデンはギターのタッチが上品で、なんとも言えない心地良い木の箱鳴り豊かな音で、独自の組み合わせによるコードを弾きます。(結構飛び弦が多い・・)、バッキーはコピーしたことないので、詳しくはわかりませんが、とにかく気持ちいの良い四つ切りバッキングと、素朴でありながらダイナミックなコードソロが素敵なギター弾きです。両者は人によっては前ノリでイマイチ好きにはなれないという的確な意見もあるのですが、二人の奏でるフルアコサウンドは僕の目指す音に非常に近く、結構よく聴いております。ハワードアルデンはソロも達者で、実にいいタイミングでいいフレージングを出します。リフレインするフレイズやコードソロも特徴的で面白いですね。なお、この二人はどちらも珍しい7弦ギターを使うジャズマンでもあります。

  『Take Love Easy』Ella Fitzgerald&Joe Pass

 このコーナーでは結構デュオの演奏を取りあげていますが、ギタリスト的見解で言うと中でもかなり、やりがいがありそしてかなり難しいのがボーカルとのデュオだと思います。今回のアルバムがまさにそのギターとボーカルのデュオで歌のファーストレディとギターの巨匠の名演という憎いアルバムです。なぜ、難しいかというとボーカルとのデュオというのは結局、テーマを歌い上げた後は完全なソロギター状態になる訳です。その部分の難しさは当然といえば当然ですが、テーマ部にしてもボーカルを引き立たせるためベースラインやコード音などに細心の注意を払いつつ時折、オブリやレスポンスもしなくてはならないですし、また、ボーカルというものは同じスタンダードであっても楽器とは違い、人によってキー(調)が異なるので、ギター奏者は仮に知っている曲であったとしても慣れないキーの中でリズム、和音、ベースラインを考えつつ、さらに飽きさせないアレンジやオカズを考えなくてはならないのですね。これはソロギターと同じかそれ以上の困難といえましょう。
今回のギタリスト「ジョーパス」はその筋のギターでは超A級の奏者であり、抜群にエラフィッツジェラルドの母親のような包容力をもった歌声を引き立たせています。まさに絶妙のハーモニーを醸し出してくれているのです。二人の演奏は決して相手の音を聴くという行為だけでは出来ない芸当でまさに相手の音を聴くのではなく相手の演奏を感じているという感じですね。「Gee Baby」におけるソロ明けのエラの「ジィーベイビィーエニイイトゥアィゴー.....」に呼応するジョーパスの伴奏にはゾクゾクしますよ!もう他の曲も含めてこのアルバムはボーカルファンもギターファンも必聴でしょう。ちなみに、この後も数枚続編が出ております。

基本です。トリオアルバム

僕が大好きなドラムレスを中心にトリオ編成のアルバムを紹介します。

  『MOVE〜完全版〜』 RED NORVO TRIO)

 やっぱりタル・ファーロウはいいです。特にこのアルバムの頃は僕の中で三段階に分けるタル・ファーロウの時代の一つ目と二つ目の掛け橋となってるアルバムで、いわゆる速弾きが有名なタル・ファーロウのきっかけになるアルバムなんです。つまり、このレッド・ノーヴォのおやっさんがタルに「もっと速いテンポの方がスリリングやろ!」とそそのかした訳です。当時まだ若かったタルはその速さに合わす事ができずに恥のかきっ通しだったとか。さらにこのアルバムはヴァイブ(鉄琴みたいな楽器)とベースとギターというドラムレスのトリオ編成であり後のタルファーロウトリオのピアノ、ベース、ギターのスタイルのきっかけにもなった編成なのです。よく考えたらドラムレスやのに速いテンポでピタっと合わしてるのって神業やな〜もう一つ特筆すべき事が、なんとこのトリオのベーシストがあのチャ−ルスミンガスなんです!当時まだ20代前半で無名に近かったらしいのだが、このレッドノーヴォトリオのおかげでタルファーロウもチャ−ルスミンガスも名前が売れたらしい。
*尚、上記の画像はイメージで「Move」ではありません..

  『Vorcal Classics & Piano』 Nat King Cole Trio

 相変わらずドラムレスのトリオを紹介します。ドラムレスのトリオの場合、ヴィブラフォンよりもピアノを入れる方が通常ですが、いずれにしても、どうしても音の彩りに欠けるきらいがあります。そこでメンバーのうち誰かが歌え!ってなことになりがちなのですが、本アルバムの場合のナットキングコールは、もともとピアノも歌も素晴らしい人ですからきちんとボーカルアルバムとしても聴けます。ナットキングコールといえば後期のボーカリストとしての活躍の方が有名ですが、ジャズとして聴くなら明らかにトリオ時代が最高だと思います。アレンジもインタープレイもスイングも素晴らしいものがありますし、かといってジャズにありがちな自己満演奏でもありません。
ちなみに僕が多大な影響を受けたのがこのトリオのギター弾きオスカー・ムーアです。彼の演奏はいい感じで八部音符がスイングしていますし、音色もなんともいえない哀愁ある音色(グラント・グリーンに通じる)でフレイズも無駄なく、おいしい音をいい流れで弾きます。なにより、トリオとしてのアンサンブルに実にマッチした心地よいオブリをはさんできたりして、聴くたびにゾクゾクします。オスカー・ムーアといえばグリスダウンしながらのトレモロが有名ですが、これは彼がやるからいいので、あまり真似しようとは思いません。ちなみに音使いはチャーリークリスチャンのように6度(13度)が多くて土臭いとこがまたいいですね。

マニアならソロアルバム

こんなアルバムが部屋の棚にある。そんなあなたが大好きです!

  『VIRTUOSO』 JOE PASS

 ヴァ−チュオーゾって言葉は下記に紹介ししてるエディ・ラングのアルバムにもついてます。ヴァ−チュオーゾってのは日本で言えば「巨匠」みたいな意味です。なぜ、エディ・ラングに贈られたヴァ−チュオーゾって冠名がこのジョ−・パスに与えられてるの!?ってそりゃあ、これを聴けば納得ってもんでしょう!(エディは天国で嫉妬してるかもしれない。いやジョ−パスがエディの生まれ変わりか!?)
 実はこのアルバムは僕が生まれてはじめてジャズというものを意識して聴いたアルバムでもあります。ジャズギターを志すものなら必ず聴くであろうアルバム「ヴァ−チュオーゾ」。ジョ−パスはこのアルバムを全編ソロギターで弾き、しかも抜群にスイングしているのです。確かにこのアルバム以前にもソロギターは存在しました。僕の好きな「タルファーロウ」だって「枯葉」をソロでやってますし、なんたってエディラングさんがソロでやってます。しかし、ソロギターだけで12曲とアルバムまるまる録音したギタリストは初めてで、かつその奏法の高度さは群を抜いていました。
 ジョ−パスは9才から父の手ほどきを受けてジャズギターを習い14才まで毎日6時間の練習を課せられていたそうです。そのおかげで十代前半でプロデビューしましたが、二十代は麻薬に手をそめ10年ほど療養所で過ごし棒に振ることになります。そして三十代で本格的デビューし、四十代でこの「ヴァ−チュオーゾ」を録音します。とにかくこのアルバムは一聴するのが一番わかりいいので、興味ある方は聴いてみましょう。

極私的推薦アルバム

マニアックなんだけど、聴いたらやめられないこだわりのアルバムです!

  『JAZZ GUITAR VIRTUOSO』 Eddie Lang

 こりゃあ、たまらんぜ!ラングのおじちゃん!エディ・ラングの残した録音の中でも特に名演、しかも小編成のものを集めたジャズギターファンにはたまらない作品。一曲目いきなりラフマニノフのプレリュードのソロギターからはじまるってんだからヤバすぎるです。続いて2曲目なんてエディラングと比肩しうるくらいの名ギタリスト、カールクレスとのギターデュオ!!この演奏でのラングの四つ切りカッティングにはしびれます。単に四ツ切りじゃないんだな、なんか動いてるンだな、ウォーキングみたいなんだな。
 続いてピアノとのデュオです。ピアノとギターと言えば僕はビルエヴァンスとジムホールなんてのを思い出すんですが、これはそれとはまったく別ものなんていうか、土着的なんですね・・。味があってのほほんとしてて、それでいてノれる。僕の目指すジャズのカラーを見事に出してます。エディはシンプルでそんなえぐい演奏はしてないんだけど、すごく味があってロマンチックでハマります。古いレコードから録ったのかバックに「ジー・・・」ってノイズがずっと入ってるのもイイ!僕が大好きな映画「ギター弾きの恋」の主人公エメットはこの当時のギター弾きという設定でジャンゴを崇拝しているという設定だったのでファンの中ではエメットの演奏はジャンゴを意識していると思われてるけど、この「Little Love, a Little Kiss 」を聴けばエメットのモデルはエディラングなのでは?と思ったりもします。まあ、真意はわからないのですが・・。
 ともあれ、レトロ好き、ジャズ好き、ギター好きには是非このカビの生えたようなCDの良さを体験してもらいたいです

日本人ミュージシャンアルバム

日本人だって素晴らしいジャズミュージシャンはたくさんいるのですよ!

  市川&谷本 『Recording at Minton's House』
           Kumiko Tanimoto & Tsuyoshi Ichikawa

 日本人はもともと、1・3でリズムを取る民族だったので、いわゆるアフタービートものの音楽をやるには持って生まれたハンディがあります。でも、結構日本のジャズミュージシャンって世界でも活躍してるんです。僕が初めて聴いた日本人のジャズミュージシャンは矢掘孝一さんでしたけど(後に紹介します)その後CDや生演奏をいろいろ聴いていくうちに「こいつはスゲ〜ぜ!」と思ったギタリストが本アルバムのギターを担当している市川強さんです。
僕がまだ無知だった若かりし頃、一度市川さんにジャズ理論の講義を受けていたのですが、お恥ずかしい話「プレーヤーとしてのすごさ」には気付かずにいました・・。その後、経験を積んだり、自分で演奏(特にバッキングやコード)を考えるようになった後に、京都で市川さんのライブを見たのですね・・これがもうヤバいヤバい・・
 どうしてこんな演奏ができるのか!とド肝を抜かれましたね・・。僕が特に感じるスゴ味は「音に対する一つ一つの配慮(組み合わせ)」と「まったく無駄を感じない、厳選された音使い(ちなみに手の動きにも無駄がない)」そしてなにより、どんな編成、特にギター一本で抜群にスイングするそのノリです。
 このアルバムは同じく関西で活躍されているボーカリスト谷本久美子さんとのデュオアルバムで、まったりとした雰囲気の中、スイング、バラード、ボサノバなどが披露されていきます。谷本さんは通常の歌はもちろん、スキャットがすごく上手で、楽器なんかでおなじみのアドリブフレーズも出ますし、ボーカルならではのフレーズも飛び出します。このアルバムをかけている時に友人が聞くと必ずボーカルは「外人」だと勘違いされるのですが、それほど英語もしっかりされてるんでしょうねえ(僕は英語音痴だからわかりません)
 ともかくデュオアルバムとしても、BGMとしても、たっぷり楽しめるので、日本人(特に関西)のジャズってどうなの?って方は一度聴いてみてください。

以下現在工事中

※続きは次回更新までお待ちください(09/07/29最終)











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